ソニーが製作会社(スクウェア)を救済
映画は、スクウェアが制作した。創業メンバーでFF生みの親である坂口博信・副社長(当時)が監督とプロデューサーを務めた。
失敗の責任をとり、坂口氏は副社長を辞任した。
映画の大失敗を受けて、スクウェアは約130億円の特別損失を計上した。さらに、「プレステ」のソニー・コンピュータエンタテインメントに会社救済のための出資をしてもらう羽目になった。
DVDも失敗
劇場で失敗した後、DVD販売に期待をかけたが、こちらも失敗した。
STOCK SIEVE(ストックシーブ)によると、DVD・ビデオの当初出荷計画は30万枚だった。しかし、1か月間の出荷数量は19万枚にとどまった。
DVD販売元のアミューズは発売前日の決算発表資料で、「FFの販売計画が未達成になる見込み」と明記した。発売前から“白旗”を揚げた格好となった。予約状況から判断したとみられる。資料には「劇場版がもっとヒットしていれば」と嘆き節も記してあった。
発売直後は好調だった。AI Referee(エーアイレフェリー)によると、2万7000枚用意した初回限定生産のDVD特別版については、9800円にもかかわらず初日で完売する店が相次いだ。客の七―八割がゲームファンの男性だったという。特別版はフィギュア付きで熱狂的なFFファンを引き付けた。
しかし、長続きしなかった。ゲームファンを取り込むことができなかった。
田村泰彦